2009年8月31日月曜日

再生日記番外編№1(HISTRY SZJ-2M)その1

休みだからといってだらだらしていたら、
BLOGの更新までお休みしてしまいました・・・。

今回はタイトル通り、「番外編」としてお送りします。
何が「番外」なのかというと、
いつものルート(ヤ○オク)で入手したのですが、大きく手を入れる必要がない位、
久々に状態のよい個体、なおかつ、予想外に使える個体であったため、
基本的には状態の確認と簡易のクリーニングのみで済んでしまったからです。

前オーナーの心がけによって、
前回の個体とはここまで状態が違うのですわ。

苦難のクリーニングが続いていただけに、
前オーナーに「お礼」が言いたいくらいです!

それでは状態確認&クリーニング並行して進めます。

「HISTRY」は島村楽器の上級ブランドとして、フジゲン(富士弦楽器製造)が製作しているものです。
島村楽器でのエントリーモデルとしては「BUSKER’S」というブランドもありますが、これは中国製(ではないか?)で、仕上りおよび品質はHISTRYブランドとは比較になりません。

このモデルはSZJ-2MというミディアムスケールのJAZZBASSタイプです。
現在は製造していないモデルですが、オプションのミントグリーンのピックガードがついてます。

HISTRYはいってしまえば「マイナーブランド」ですので、情報が少なく、実は入札直前までミディアムスケール(通常のBASSより少し短い)であることの調べがつきませんでした。というかよく調べていませんでした。ただ、この個体を入手した直後に売りに出したのもHISTRYのショートスケールBASSでしたので、このブランドのクウォリティの高さは予め分かってはいました。前オーナーの説明文中の「パッシブなのにパワーがある」という一文にも少し期待していました。
通常、スケールが短くなる=バランスを保つためにボディも小ぶりになる=絶対的なボディ容量減は低音があまり出ない、という図式ができていますので、前オーナーのコメントの「パワーがある」が、どれだけその不足を補ってくれるかというところが、フジゲンパフォーマンスの真価が問われる点でもあるなとの予想も立ちましたし。

「ミディアムスケール」といっても、通常の「ロングスケール」のBASSと並べてみないと分からないくらいの見た目の違いですが、弾いてみるとすぐに分かります。いつもの指の動きでは、特にハイポジションでは左手の指の押さえるポジションが指1本程度遠くになるので、慣れるまでは指板を見ながらでないと、「意図したフレットの隣のフレットを押さえてしまう」事態もありがちです。
フレット・指板の状態は結構良いです。フレットには若干のサビが見受けられますが、クリーニングで落ちる程度ですので、問題ありません。
ローズウッド指板ですが、古いノーメンテの個体に多い、「乾燥が進んで縦溝が多数発生している」状態ではまだありません。


ロングスケールのBASSとの比較写真を掲載しなければならないのですが、つい、「出入り」の履歴として、売りに出すショートスケールとの比較写真にしてしまいました。
(2本ともブランドはHISTRYです)

ミディアムとロングの差も大体これ位です。

ショートの方は弦間が狭いので、通常の幅のピックアップが斜めにレイアウトされているのが分かりますか?



ボディ周りにも大きな目立つ傷は無く、通常弾いているとどうしてもついてしまうピックガードの傷も、細かな傷程度でかなり綺麗な状態です。






コンパネ付近も手垢と表面の軽いくすみ位で、クリーニングでばっちり落とせます。










ブリッジも、手の届きにくい場所には埃が少し溜まっていたり、くすみがありましたが、サビや大きな傷も無く、地肌が綺麗な状況です。






ボディ裏も、通常弾いていると必ずといって付いてしまう、いわゆる「バックル傷」もほとんど目立たない程度です。







シリアルナンバーから推測すると、2005年の48本目製造でしょうか?(年式は前オーナーからの情報で、ほぼ間違いありません)





フジゲンの特許「CFS(サークルフレッティングシステム)」を採用しています。技術的な説明はこちら
を参照ください。
ヘッドから放射状にブリッジに向かって広がりながら張られている弦に対して、直線的に配置されたフレットでは正確なピッチ及び「鳴り」の実現が難しいため、弦の広がりに合わせた微妙なRがついたフレットを打ち込むことでクリアしようという意図。
そんなもん、どれだけはっきり効果がわかるんじゃ?と懐疑的でしたが、この後実際に弾いてみて、その効果を充分体感することとなります。
その説明も含め、次回へ続く・・・・。

2009年8月10日月曜日

再生日記№2(AriaProII IGB-50)その4

もう、言い訳しません・・・。
世間一般の方々と一緒に盆休みモードに入りましたので、
ようやく更新できます。

それでは指板現状確認から・・・。

使いっぱなしですので、くすみ・削れ放題です。
板面は乾燥による縮みが発生していますが、溝が大きくわかるほどではないので、まだましです。






あ、またピンボケだなぁ~。素人らしく、ちゃんとストロボ使いましょう。
わかりにくいですが、縮みによる溝は細かく発生しているので、どうしようもない酷い状態でもありません。
表面軽くサンディングすればあまり目立たなくなると思いますが、今回はクリーニングのみです。(継続使用するかどうかわかりませんので)


指板と言えばレモンオイル。ホントはスチールウールがベストなのですが、最近ホームセンターに売っている姿を見かけません。ので、効果はかなり落ちますが、代用品のアルミスポンジで地道にこすります。


フレットに沿って境界面の汚れを擦り取り、指板面は状態を確認しながら縦横に擦ります。











ネック置き台を使用しない場合は、ネックに負担をかけないように、上からの力は極力かけないように、注意します。






フレット表面に少し輝きが戻ってきました。
完璧を目指すのであれば、マスキングして、フレット1本1本をコンパウンドで磨き上げます。






最初の見るも無残な、目を背けたくなる状態から、少し見れるようになりました。











ヘッド周りはペグに錆が浮いていますが、他はそれほどひどい状態ではないので、クスミ取りでポリッシング程度でOKです。






工程はかなり端折りましたが、使いっぱなしの汚れの塊から、少し見れる状態になりました。
早速音出ししてみると・・・、通常のポリ塗装の様に塗膜が厚くないので、ボディ自体の鳴りは悪くありません。
2バンドEQの効きもレンジが広く、結構使えるBASSですが、現状所有のFERNANDES FRB-75を超えるほど使えるレベルではないので、そのまま売りに出します。




おっと、忘れてました。

音出しのチェックアルバムはこちら。




















成瀬喜博の「STIMLUS」です。
一曲目の「Snappy Fingers」は当時ナルチョがメインで使用していたBASSであるspecterサウンド満載の、いかにもナルチョらしい、ゴリゴリの派手な曲が多いアルバムです。
ピックアップがPJレイアウトのBASSの場合は、ついこのアルバムで音チェックしてしまいます。
「EQ効かせてます」的なベキベキの「切り刻まれるような」スラップサウンドは、「カッチョえぇ~」と惚れ惚れするばかりですね。
ナルチョより速い・巧みなスラップを弾くBASSISTは今や掃いて捨てるほどいますが、やはり「ナルチョ節」を聴くと、「日本BASS界の重鎮」と言わしめる存在感抜群です。
こんな、味のあるオヤジ(いや、もうオジイか?)BASSISTになりたいもんです。

今回の再生日記は短いですがこれまで。

次回は、最近「結構いい買い物かも」と思わせるものが入手できましたので、
そのメンテを公開する予定です。